実家の土地の登記事項を確認していると「法務局に地積測量図がありません」と言われることがあります。測量図がないというと不安に思われるかもしれませんが、古くからの土地では珍しいことではありません。ただし、売却の場面では「登記簿に書かれている面積」と「実際に測った面積」が食い違う可能性があり、契約の仕方によって扱いが変わってきます。ここでは、地積測量図がない土地でどのようなことを検討する必要があるのか、磐田・袋井エリアの実情も交えて整理します。
この項目でカルテがつける判定
実際のカルテ見本でも、項目5「地積測量図の有無」は▲要確認で記載しています。見本の事例では「法務局に地積測量図が備わっていません。登記地積と実測面積が異なる可能性があり、売却条件(公簿売買か実測売買か)の検討が必要です。」という所見を記載しました。測量図が備わっていて登記面積と実際の面積の整合が取れている土地であれば○支障なしとなりますが、測量図がない、あるいは古い測量図しかない場合は▲要確認となることが多い項目です。
なぜ売却の支障になるのか
地積測量図とは、土地の分筆登記などの際に土地家屋調査士が作成し、法務局に備え付けられる図面のことです。境界の位置や各筆の面積が記載されており、いわば「その土地の測量結果の公式記録」にあたります。ただし、すべての土地に備わっているわけではありません。長年分筆されていない土地や、古い時代に登記された土地では、そもそも測量図が作成・提出されていないケースが多くあります。
測量図がない場合に問題になるのが、登記簿に記載された面積(公簿面積)と、実際に測った面積(実測面積)が一致しない可能性があることです。古い測量技術や、道路拡幅・畦畔の扱いなど様々な事情により、登記面積と現況の面積にずれが生じていることは珍しくありません。
そこで売買契約の際には、大きく分けて2つの方式があります。ひとつは「公簿売買」で、登記簿に記載された面積をもとに契約し、後日実測した面積と差異があっても代金の清算をしない方式です。もうひとつは「実測売買」で、契約前後に実測を行い、登記面積との差異に応じて代金を清算する方式です。どちらの方式を選ぶかは売主・買主双方の合意によりますが、買主側の希望や物件の状況(面積の食い違いが大きそうか、隣接地との境界に不安がないか等)によって、実測売買や確定測量が求められることがあります。
確定測量(境界確定測量)を行うには、土地家屋調査士が隣接する土地の所有者に立会いを依頼し、境界の位置を確認したうえで測量する必要があります。隣接地の数や、境界について過去にトラブルがなかったかによって、かかる手間や期間は変わってきます。
磐田市・袋井市での実際
磐田市・袋井市エリアでは、古くからの宅地や、土地区画整理が及んでいない旧集落の土地で、地積測量図が備わっていないケースをしばしば見かけます。代々受け継がれてきた実家の土地で、分筆や測量を一度も行ったことがない、という場合は特に注意が必要です。また、農地から宅地に転用された経緯がある土地でも、測量図が整備されていないことがあります。
登記事項や測量図の有無は、法務局(磐田市・袋井市の物件は法務局浜松支局の管轄です)で確認できます。実測が必要かどうか、どの程度の測量を行うべきかは、土地の状況や売却条件によって判断が分かれますので、土地家屋調査士や、当社のような地域の不動産会社にご相談いただくのが確実です。断定的なことは申し上げられませんが、まずは現状を確認するところから始めることをおすすめします。
解消の流れと関わる専門家
地積測量図がない土地について、一般的には次のような流れで整理していきます。
- 境界・測量の要否を判断する
買主や取引条件によっては確定測量が必要になることがあります。費用は数十万円規模になることもあるため、売却方針とあわせて判断します。
当社ができること:土地家屋調査士の手配、隣地立会いの段取りまで代行します。 - 売却活動へ
支障の解消と並行して、売り方や価格の方針を決めて売却活動に進みます。
当社ができること:媒介契約後は、手配すべてと売却活動・契約・決済まで、当社がワンストップで対応します。
実測を行うか、公簿のまま売却するかは、必ずしも先に結論を出さなければならないものではありません。カルテで他の項目も含めて状況を整理したうえで、売却方針の中で検討していくことができます。
費用と期間の目安
確定測量(境界確定測量)を行う場合の費用は、隣接地の数や境界立会いの難易度にもよりますが、数十万円規模になることがあります。期間についても、隣接地所有者との日程調整や官公署の立会いが必要になる場合は、数ヶ月から半年程度かかることもあります。いずれも土地の状況によって大きく変わりますので、あくまで目安としてお考えください。
実測を行わず公簿売買とする場合は、測量にかかる費用や期間は発生しませんが、その分、登記面積と実際の面積が異なるリスクを売主・買主のどちらがどの程度負うかを、契約内容で明確にしておく必要があります。※本カルテ・本記事は価格査定ではなく、あくまで目安としての情報提供です。
よくある誤解・FAQ
公簿売買と実測売買、どちらが良いのですか?
どちらが優れているというものではなく、土地の状況や買主の意向によって選ばれ方が変わります。登記面積と実測面積のずれが小さそうな土地では公簿売買で進むことも多く、逆に隣接地との境界に不安がある、面積の差異が大きくなりそうといった場合は実測売買が選ばれる傾向があります。当社が個別の状況を踏まえてご説明します。
測量をしないと売れないのですか?
必ずしも測量をしなければ売却できない、というわけではありません。公簿売買であれば測量なしで契約に進める場合もあります。ただし、買主や金融機関の意向、境界の状況によっては測量を求められることもありますので、早めに状況を確認しておくと安心です。
地積測量図がないことと、境界が未確定であることは同じ意味ですか?
必ずしも同じではありません。測量図がなくても境界標があり境界の位置に争いがないケースもあれば、測量図があっても隣接地との認識にずれが生じているケースもあります。境界そのものの状況については別項目でも確認しており、あわせてご案内しています。
実家カルテでは、この項目も含めた13項目をまとめて所見にします