「境界標がどこにあるのか、実は分からないんです」──実家の売却をご相談いただく中で、しばしば出てくる言葉です。ご両親が長く住んでいた家ほど、隣地との境界について改めて確認したことがなく、境界標が土に埋もれてしまっていたり、そもそも設置されていなかったりすることがあります。境界の状態は、登記簿や公図を見るだけでは判断できず、実際に現地で確認して初めて分かる項目です。まずはどのような場合に確定測量が必要になるのか、順を追って整理しましょう。
この項目でカルテがつける判定
実際のカルテ見本でも、項目6「境界確定の見込み」は▲要確認で記載しています。見本の所見は「境界標の有無・隣地との境界確認の状況は机上では確認できません。境界が不明確な場合、土地家屋調査士による境界確認・測量が必要になることがあります。」というものです。境界の状態は書類だけでは判断できず、現地確認や隣地の方への聞き取りを経て初めて分かるため、この項目はまず▲要確認からスタートし、現地確認を経て●要対応または○支障なしへと判断が絞り込まれていくのが実際の流れです。
なぜ売却の支障になるのか
境界(筆界)とは、登記された一筆の土地と隣の土地との境目のことです。現地には本来、コンクリート杭や金属鋲などの境界標が設置されているはずですが、長い年月の間に紛失したり、地面に埋もれて見えなくなったりしていることがあります。また、境界標があっても、隣地の所有者との間で境界の位置について正式に確認書(筆界確認書)を取り交わしていない場合もあります。
境界が不明確なまま売却を進めると、引き渡し後に「思っていたより敷地が狭かった」「塀や樹木が隣地にはみ出していた」といった越境トラブルや、登記簿上の面積と実際の面積が異なる面積相違が表面化するリスクがあります。そのため、買主や、住宅ローンを扱う金融機関から、境界を明確にする確定測量(境界確定測量)を求められることが少なくありません。
確定測量は、土地家屋調査士が隣接する土地の所有者に立ち会ってもらい、境界の位置をお互いに確認したうえで測量図を作成する手続きです。隣接地が道路や水路など行政が管理する土地(官有地)である場合は、行政との間で境界を確定する「官民境界確定」も別途必要になり、通常の隣地立会いより手続きに時間がかかる傾向があります。
なお、確定測量が必ず必要になるとは限りません。境界標がそろっていて隣地との境界に争いがない場合や、買主・金融機関が現況のままでの取引に同意する場合は、確定測量なしで売却が進むこともあります。要否はケースによって異なるため、断定はできない項目です。
磐田市・袋井市での実際
磐田市・袋井市エリアでは、旧集落にある宅地や、田畑に囲まれた実家で、長年境界確認を行っておらず、隣地との境界標が失われている、あるいは確認書そのものが見当たらないというケースにときどき出会います。先代・先々代の頃に口約束や慣習で境界の認識を共有していたものの、書面としては残っていない、という地域も少なくありません。
境界の状況を確認したい場合は、まず法務局(磐田市・袋井市の物件は法務局浜松支局の管轄です)で地積測量図や公図を取得し、過去に測量が行われているかを確認するのが第一歩です。図面が古い、あるいは存在しない場合は、土地家屋調査士に現地での確認を依頼することをおすすめします。当社では提携の土地家屋調査士をご紹介できますので、まずはお気軽にご相談ください。
解消の流れと当社ができること
境界の状態を確認し、必要に応じて確定測量に進むまでの一般的な流れは、次のとおりです。
- 境界・測量の要否を判断する:買主や取引条件によっては確定測量が必要になります。費用は数十万円規模になることがあるため、売却方針とあわせて判断します。
当社ができること:土地家屋調査士の手配、隣地立会いの段取りまで代行します。 - ▲・−の項目を現地で確認する:越境・道路幅員・建物現況など、机上で確認できなかった項目を現地で確かめます。
当社ができること:現地確認レポート(33,000円税込〜)として、写真付きで整理してお渡しします。 - 売却活動へ:支障の解消と並行して、売り方や価格の方針を決め、売却活動に入ります。
当社ができること:媒介契約をいただければ、上記の手配すべてと売却活動・契約・決済まで当社がワンストップで進めます。
境界の確認は、越境や接道など他の項目とあわせて現地で一度に確かめられることが多く、カルテではこれらをまとめて洗い出したうえで、優先順位をつけてご案内しています。
費用と期間の目安
確定測量の費用は、隣地の数や官民境界確定の有無によって幅があり、数十万円程度からとなることが一般的です。隣接地が多い、官有地との境界確定が必要といった場合は、さらに費用がかさむことがあります。期間についても、隣地所有者全員の立会い日程の調整や、官民境界確定を伴う場合の行政手続きにより、数ヶ月から半年程度かかることが珍しくありません。
いずれも実家の形状や隣接状況によって大きく変わるため、あくまで目安としてご案内しています。確定額や具体的な期間は、土地家屋調査士による現地確認・見積りでご確認ください。※本カルテ・本記事は価格査定ではなく、あくまで目安としての情報提供です。
よくある誤解・FAQ
境界標が見当たらない場合はどうすればよいですか?
まずは法務局で地積測量図や過去の測量記録の有無を確認します。記録がない、または現地で境界標が確認できない場合は、土地家屋調査士に現地調査を依頼し、必要に応じて確定測量を検討します。当社から提携の土地家屋調査士をご紹介することもできます。
隣の人が境界の立会いに協力してくれない場合はどうなりますか?
立会いをお願いしても応じてもらえない、あるいは連絡が取れない場合、確定測量の完了までに時間がかかることがあります。土地家屋調査士が状況に応じた進め方をご提案できますので、早めに相談することをおすすめします。
確定測量をしなくても売却できることはありますか?
境界標がそろっていて隣地との境界に争いがなく、買主や金融機関が現況のままでの取引に同意する場合は、確定測量をせずに売却が進むこともあります。ただし個別の判断が必要ですので、まずはカルテで境界の状況を整理することをおすすめします。
実家カルテでは、この項目も含めた13項目をまとめて所見にします