「ローンはもう何十年も前に完済しているはずなんですが」──カルテのご相談で、登記簿を取ってみて初めて驚かれる方が少なくありません。実家の名義や境界は気にしていても、登記簿の中の「抵当権」の欄までは、なかなか見る機会がないものです。磐田・袋井のお客様でも、昭和や平成初期に組んだ住宅ローンや事業性の借入について、完済したのに登記だけが残っている、というケースにたびたび出会います。まずは落ち着いて、何が起きているのか、何をすればよいのかを整理しましょう。

この項目でカルテがつける判定

要対応 になりやすい項目です

実際のカルテ見本でも、項目3「抵当権・(根)抵当権の有無」は●要対応で記載しています。見本の事例では「昭和61年設定(○○信用金庫)の抵当権が残っています。完済済みでも登記が残ったままの場合、売却(決済)までに抹消登記が必要です。金融機関への確認と司法書士の手配を行います。」という所見をお伝えしました。ローンを完済していても登記自体は自動的には消えませんので、古い抵当権の設定登記が残っている実家は、ほぼこのパターンで●要対応となります。

要対応 要確認 支障なし 未確認

なぜ売却の支障になるのか

住宅ローンなどの借入を完済しても、登記簿に記録された抵当権(担保)の登記は自動的には消えません。抹消登記という別の手続きを申請して、はじめて登記簿から消えるものです。「完済した」という事実と、「登記が消えている」という事実は、法律上は別のことなのです。長年そのままにしていても不利益を感じにくいため、完済後もそのまま放置されている実家が少なくありません。

抹消登記を行うには、借入をしていた金融機関から「抵当権解除証書(弁済証書)」や「登記識別情報(または登記済証)」、資格証明書といった書類の発行を受け、それをもとに司法書士が抹消登記を法務局に申請するという流れになります。書類さえそろえば、抹消登記自体はそれほど時間のかかる手続きではありません。

問題になりやすいのは、設定が昭和や平成初期など古い場合です。当時の借入先の金融機関が、その後の合併や組織変更、あるいは廃業によって、名称や実体が変わっていることがあります。信用金庫・信用組合の合併や事業譲渡はケースによって経緯が異なりますので、実際の金融機関名をもとに、現在どこに問い合わせればよいかを個別に確認する必要があります。書類の再発行に時間がかかることもあり、売却のスケジュールに影響することもあるため、早めに着手しておきたい項目です。

なお、実務上は、売買代金の授受(決済)と同時に、買主への所有権移転登記と、売主側の抵当権抹消登記をまとめて行うのが一般的です。決済当日に段取りが整うよう、事前の準備が重要になります。

磐田市・袋井市での実際

磐田市・袋井市エリアでも、昭和から平成初期にかけて建てられた実家で、住宅ローンや事業性の借入に伴う抵当権が、完済後もそのまま登記に残っているケースを時々お見かけします。当時借入をしていた地元の金融機関が、その後の再編で名称が変わっていることもあり、まずは現在の窓口を確認するところから始めることになります。

抹消登記の申請先は、物件所在地を管轄する法務局(磐田市・袋井市の物件は法務局浜松支局の管轄です)です。断定はできませんが、金融機関によって必要書類の発行にかかる日数や窓口の対応が異なりますので、実際の借入先の名前がわかれば、当社から確認の進め方をご案内することもできます。まずはお気軽にご相談ください。

解消の流れと関わる専門家

抵当権抹消までの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 金融機関に完済の確認と、抵当権解除証書・登記識別情報等の抹消書類の発行を依頼
  2. 司法書士に抹消登記の申請を依頼(売却の決済と同時に行うことも一般的)
  3. 法務局への申請・登記の完了

抹消の準備と並行して、相続登記の要否や境界の確認など、カルテで洗い出した他の支障があれば一緒に整理していきます。準備が整えば、価格の方針を決めて売却活動へと進むことができます。

当社ができること:金融機関への確認の進め方をご案内し、司法書士の手配まで段取りいたします。媒介契約後は、抹消登記の手配から売却活動・契約・決済まで、当社がワンストップで対応します。

費用と期間の目安

抵当権抹消登記そのものにかかる期間は、必要書類さえそろえば、申請から数日〜1週間程度で完了することが多いです。ただし、金融機関側での書類発行に時間がかかる場合や、合併・組織変更を経た金融機関への確認が必要な場合は、それ以上かかることもあります。

費用の目安としては、登録免許税が不動産の個数×1,000円程度、司法書士報酬が数万円程度からとされることが一般的ですが、いずれもケースによって異なりますので、確定額は司法書士の見積りでご確認ください。※本カルテ・本記事は価格査定ではなく、あくまで目安としての情報提供です。

よくある誤解・FAQ

抵当権者だった金融機関が、合併等で無くなっている場合はどうすればよいですか?

合併や事業譲渡によって権利義務を引き継いだ先が存在することがほとんどですが、経緯は金融機関ごとに異なります。当時の借入先の名称がわかれば、現在の問い合わせ先を確認するところから進めます。司法書士にご相談いただくと、過去の事例をもとに調査していただけることもあります。

抹消登記をしないまま放置すると、どうなりますか?

完済していれば直ちに不利益が生じるわけではありませんが、売却(所有権移転登記)の際には抹消登記が必須となります。年数が経つほど関係書類の確認に時間がかかることもありますので、売却を考え始めた時点で早めに着手されることをおすすめします。

抹消登記は売却の決済と同時に行う必要がありますか?

必ずしも同時でなければならないわけではありませんが、実務上は決済日に、買主への所有権移転登記と売主側の抵当権抹消登記をまとめて行うのが一般的です。事前に書類を整えておくことで、当日の手続きがスムーズになります。

実家カルテ 所見一覧(記入例・サンプル)

実家カルテでは、この項目も含めた13項目をまとめて所見にします