空き家の遠距離管理|磐田へ通う負担の測り方
2026年10月11日|カテゴリ:空き家・施設入居

この記事の要点
Q. 遠くの実家へ通うのが大変。もう売った方がいい?
A. 売却の結論を急ぐ前に、交通費、往復時間、現地作業時間を分けて記録します。家族が無償で動く時間も負担です。国土交通省の令和6年調査では遠方居住による往訪困難が21.6%でしたが、全国値だけで一軒の判断はできません。自主管理と一部委託を同じ作業範囲で比べます。
磐田市・袋井市・森町では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような地域密着の会社に相談するという選択肢があります。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。県外で暮らしながら実家を守るとき、草取りより往復がつらい場合もあります。けれど「大変だから売る」と一直線に結ぶ前に、何が負担なのかを切り分けたい。宅地建物取引士として、管理会社を探す前に家族で作れる負担表を提案します。
全国21.6%と、わが家の負担は別に読む
空き家の遠距離管理では、全国の課題の割合と、持ち主の通う負担を分けて考えます。国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」の図表4-79では、遠方居住による往訪困難が21.6%です。管理作業の大変さは31.7%、費用の負担は22.5%でした。いずれも複数回答です。
調査結果は2025年8月29日に公表されました。調査票の配布・回収は2024年11月下旬から12月です。冊子92頁では、売却用の空き家でも往訪困難が約31%と説明されています。売り出すことと、管理の手間がなくなることは同じではありません。
全国の世帯を対象にした調査で、法人・団体所有の空き家は含みません。磐田市の21.6%が困っているという意味でも、交通費の相場でもありません。資料の確認日は2026年10月11日です。
私は、この数字を「うちも売るべきだ」という根拠にはしません。出費がつらいのか、休日が消えるのか、急な呼び出しが怖いのか。同じ遠距離でも、減らしたい負担は違います。いつか戻る実家をどう持つかを考える際も、希望と管理の段取りは別々に書きます。
交通費と家族の時間を二つの欄に分ける
管理の負担表には、実際に払ったお金と、人が動いた時間の二つの欄を作ります。以下は私の提案する記録例です。公的な料金基準や、磐田までの交通費相場を示す表ではありません。
| 欄 | 一回分に書く内容 | 記録すると分かること |
|---|---|---|
| 支出 | 交通費、駐車料、消耗品、処分費 | 口座や財布から出た金額 |
| 時間 | 往復、現地作業、手配や連絡 | 誰の休日や予定を使ったか |
| 未完了 | 雨でできなかった草取りなど | 次の訪問へ持ち越す作業 |
仮に一回の交通費等が8,000円、往復4時間、現地作業3時間とします。年6回なら支出は4万8,000円、移動と作業は42時間です。この金額には固定資産税、保険、修繕費を入れていません。「維持費が年4万8,000円」と読み替えないでください。
家族2人が毎回同じ7時間を使うなら、合計は84人時間です。一方、同じ車に乗る二人分の交通費を、機械的に倍にしてはいけません。人数を掛けるのは時間の欄。支出は実際の支払額。別々に足すだけで、話がずれにくくなります。
仕事を休んだ場合も、有給休暇の日数と実際の減収は別に残します。家族の時間に仮の単価を置く方法はありますが、それは比較のための仮定です。誰かへの請求額や、将来の相続の取り分が自動で決まる数字にはしません。
自主管理の良さと、続けるための条件
家族による管理の良さは、家の使い方や残したい物を知る人が現地を見ることです。写真を撮り、窓や室内の変化を同じ目で比べられます。帰省や家族の用事と合わせて動けるなら、その利点も負担表に残してよいと私は考えます。
その上で、家族だから無料という扱いには注文があります。支払いがなくても、通う人の予定は消費しています。私は、保有を続けたい人と、実際に通う人の両方が納得する作業量を先に決めたい。売るか決められないことと、一人に任せ続けることは分けるべきです。
正直に言えば、家族の時間にいくらを付けるかは私も迷います。親の家に寄る楽しさまで費用にすると、残したい理由が見えなくなるからです。だから最初は金額に直さず、時間と担当者をそのまま並べる。負担を見せるための表で、家族を責める採点表ではありません。
委託を比べる段階では、空き家管理サービスを選ぶ5つの確認も使えます。月額だけでなく、巡回の範囲、写真報告、草取りの有無、臨時訪問の費用をそろえます。屋外巡回と室内の換気まで含む管理を、同じ商品として比べないことです。
私なら「全部頼む」の見積りだけでなく、家族が難しい作業だけの見積りも求めます。減らせる往復回数が分かれば、委託料の意味が変わります。安いか高いかは、代わりに何が終わり、家族に何が残るかを見てからです。
磐田へ通う家族の引継ぎを具体化する
磐田の実家へ県外から通うなら、出発から帰宅までを一つの管理予定として組みます。袋井の家でも同じです。駅に着く時刻だけでなく、現地への移動、鍵の受け取り、作業後の片付けまで予定表に入れることを私は勧めます。
近隣の方への挨拶、郵便物の確認、写真撮影などは、一つずつは短くても重なります。誰でもできる定例作業と、持ち主の判断が必要な修繕を分けると、引継ぎやすくなります。異常を見つけた人が、その場で高額な工事を決める仕組みにはしません。
鍵を預ける場合は、空き家の鍵の預け先と管理記録も確認します。鍵の本数、受け取った人、返却方法、入室の連絡先を一枚に残す。担当者を増やすほど、どの家族が最終判断するかを決めておきたいところです。
家族用の報告は「異常なし」だけで終えず、確認した場所と、確認できなかった場所を書きます。雨で庭を見られなかった、室内には入っていない。その情報が次の人の準備になります。屋根や高所など危険を伴う確認は、家族の訪問項目に無理に入れず、業者へ範囲を相談します。
台風後などに臨時確認が必要になった場合も、遠方の家族が即日動けるとは限りません。定期巡回とは別に、誰へ連絡し、どの範囲まで頼めるかを確かめます。対応の可否や料金は会社ごとに確認し、常時駆け付けてもらえると思い込まないでください。
今日の確認は、次の一回を記録すること
遠距離管理を見直す最初の一歩は、次回の帰省一回分を記録することです。過去の支出を完璧に集計してからでなくても始められます。私なら、移動開始時刻、帰宅時刻、支払額、終えた作業、残った作業の五つを書きます。
家族の話し合いでは、「次も同じ人が動けるか」を先に確かめます。動けない月があるなら、一部委託の相談や訪問日の調整をその場で一つ決める。売却の結論は保留でも、次回の担当が決まれば家は放置されにくくなります。
- 交通費と作業時間を別々に記録する。
- 税・保険・修繕の費用は別欄で残す。
- 次回の担当者と、できない作業の相談先を決める。
私は、今日売却を決めるようには案内しません。まず、無理なく持てる条件を言葉にします。富士ヶ丘サービスでは、磐田・袋井を中心に介護と不動産を一体で相談できます。施設入居後の家をどう守るかも含め、家族が困らない売却と保有の段取りを整理します。
よくある質問
ご家族が確認したい点を、質問ごとに整理します。
- 家族の作業時間もお金に換算する?
- 家族の作業時間は、最初から金額に換算しなくても構いません。往復時間、作業時間、担当人数を記録するだけでも負担を比べられます。単価を置くなら比較用の仮定と明記し、実際の交通費等とは別欄にします。その数字が家族への請求額や相続の取り分になるわけではありません。まず誰の予定をどれだけ使ったかを共有します。
- 売り出せば管理のための帰省は不要?
- 売り出しただけでは、空き家管理が不要になるとは限りません。国土交通省の令和6年調査では、売却用の空き家でも往訪困難が約31%と説明されています。仲介業者に任せる内覧対応と、草取りや室内管理の範囲は別に確認します。引渡しまで誰が何を担い、追加費用があるかを決めてから、家族の訪問回数を見直してください。
- 管理会社へ全部任せるべき?
- 管理会社へ全部委託するかは、家族が続けられる作業と難しい作業を分けて判断します。屋外巡回、室内確認、草取り、臨時対応の範囲を確かめ、同じ条件で見積りを比べます。月額が安くても必要な作業が別料金なら総額は変わります。まず一部を頼んで家族の往復がどれだけ減るかを確認する方法もあります。売却を先に決める必要はありません。
参考にした公式情報
2026年10月確認(確認日:2026年10月11日)。公的事実と筆者の意見を分けて記載しています。
本記事は2026年10月11日に確認した一般的な情報です。制度・数値・手続は変わる場合があります。税務・登記・相続・契約・重要事項などの個別判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士など各分野の専門家に確認してください。
