特別寄与料と実家売却|6か月の申立期限
2026年10月11日|カテゴリ:相続・しまい方

この記事の要点
Q. 介護した親族への支払いは、実家が売れてから考えていい?
A. 特別寄与料の家庭裁判所への申立てには期間制限があります。相続開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始から1年を経過すると申立てはできません。売却を待たず弁護士等へ確認してください。金銭を請求する仕組みで、介護した親族へ実家の名義が自動で移る制度ではありません。
磐田市・袋井市・森町では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような地域密着の会社に相談するという選択肢があります。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。実家を売ったお金で、介護を担った親族にも報いたい。その思いを家族で話すことと、法律上の請求や申立ては同じではありません。宅地建物取引士の立場から、売却の担当者が先に切り分けたい日程と資料を説明します。
特別寄与料は家の名義と分けて考える
特別寄与料は、相続人ではない親族の特別な貢献について、相続人へ金銭の支払いを求める仕組みです。裁判所の「特別の寄与に関する処分調停」の案内では、無償の療養看護その他の労務によって、亡くなった方の財産の維持または増加に特別の寄与をしたことが条件とされています。
被相続人とは、亡くなって相続される側の人です。申立人の対象からは、相続人、相続を放棄した人、欠格や廃除で相続権を失った人が除かれます。介護をした親族なら全員が同じ制度を使えるわけではありません。案内は2019年7月1日より前に開始した相続には利用できないとしています。
意外に混同しやすいのは、貢献をしたことと、家を持つ権利との関係です。特別寄与料は金銭の支払いの話であり、介護した人へ実家の所有権が自動で移る仕組みではありません。「世話をしたから自分が売主になる」という理解で、売却の準備を進めないでください。
私は、介護をした人、相続人、登記名義人を別々の欄に書くことを提案します。一人が複数の欄に入る場合もありますが、最初から同じだと扱わない。実家を売って分ける換価分割を話し合う場合も、売る権限と支払いの相談を分けて整理します。
6か月と1年は、売却予定日から数えない
特別寄与料の家庭裁判所への申立期間には、起算点の違う二つの制限があります。裁判所は、相続開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始から1年を経過した場合は申立てができないと説明しています。両方を確認する必要があります。
| 確認する期間 | 起点 | 家族が集める記録 |
|---|---|---|
| 6か月 | 相続開始と相続人を知った時 | 何をいつ知ったか分かる連絡や資料 |
| 1年 | 相続開始の時 | 死亡日など相続開始を確認する資料 |
| 売却予定 | 査定、契約、代金受領の予定 | 上の二つとは別の予定表 |
「査定が出てから」「買い手が決まってから」と待つと、売却が動く前に申立期間の問題が生じます。起点は家が売れた日でも、代金を受け取った日でもありません。日付があいまいなときほど、家族で都合のよい日を選ばず弁護士へ確認します。
裁判所の案内では、話し合いが調わない場合などに調停または審判を利用できます。調停が不成立なら審判手続が開始されます。ただし、家族の協議を始めることと、裁判所に申立てをすることは別の行動です。話し合い中だから期限を気にしなくてよいとは扱えません。
私は期限の最終日をこの場で計算して断定しません。相続人を知った時期など、個別の事情を確認する必要があるからです。相談予約を入れたことと申立てをしたことも別です。予約が先になる場合は、期間制限が気になる事情を最初の連絡で伝えます。
介護の貢献を扱う良さと、家族だけで決める限界
特別寄与料の良さは、相続人ではない親族の無償の働きについて、金銭で話し合うための枠組みがあることです。相続人かどうかだけで介護の話を終わらせず、行ったことを整理する入口になります。私は、その入口が示されている点を評価します。
その上で、制度の説明だけで「この人にはいくら」と出せない点には注意が要ります。家族の感謝の大きさと、法律上の要件や認められる金額は同じものではありません。介護の時間に単価を掛ければ請求額になる、と不動産業者が案内すべきでもありません。
私はこう考えます。家を売るかまだ決められなくても、介護の記録と期限の確認は止めない。売却の判断を保留する自由と、法律上の選択肢を失わない準備は両立できます。家族の誰かに結論を急がせるより、相談に持っていける紙を一枚増やす方が役に立ちます。
一方で、介護の話を金額に直すことには、私にも迷いがあります。助け合ってきた家族が、急に作業時間を採点し合う形にはしたくありません。それでも、言い出しにくさで記録まで消えてしまうのは避けたい。まず事実を残し、評価は専門家に相談するという順番を選びます。
家族の中で「もう十分に返した」という認識がある場合も、私なら反論を組み立てる前に、支払いや合意の資料を集めます。介護サービスの利用料、立替金、贈与などの扱いを勝手に一緒にしません。何をどう評価するかは法律相談の中で確かめます。
売却代金を分ける前の資料をそろえる
実家の売却代金を分ける準備では、介護の経緯、相続関係、売却の費用を別の資料にします。以下は私が提案する相談準備です。提出書類の正式な一覧や、請求を認めてもらうための条件を示す表ではありません。
介護の経緯には、時期、行った作業、対価の有無を記載します。日記、予定表、家族間の連絡など、既に残っている記録を探してください。思い出して書き足した部分には、その旨を添える。記憶で補った日付を、当時の記録のように見せないことです。
相続関係には、亡くなった方との関係と、相続人を知った経緯を残します。誰が相続するか未確定なら、その状態も伝えます。必要な戸籍や申立書類は、弁護士や裁判所の案内で確認してください。裁判所の案内にある申立先は、相手方の住所地または当事者が合意した家庭裁判所です。
売却の資料には、査定額だけでなく、仲介手数料や片付けなどの予定費用を書きます。査定額はまだ受け取ったお金ではありません。家族に示す数字は「価格の見込み」「費用の見込み」「支払いが決まった額」と表示を変えます。
代償分割で使う不動産の評価額とも混同しないようにします。特別寄与料について売却代金から自動的に差し引けばよい、と私の判断で決めることはできません。支払う相手、負担する人、支払時期、税務上の扱いは、合意や個別事情に応じて専門家へ確認します。
磐田・袋井の実家は、相談と査定を並行する
磐田市・袋井市の実家についても、法律相談と売却の情報収集は並行して進められます。家が磐田にあることだけで、申立先の家庭裁判所が決まるわけではありません。所在地、相手方の住所、家族が動ける日を分けた予定表を作ると、相談先を取り違えにくくなります。
登記の準備では、家の名義と対象の土地を確認します。遺産分割協議書の土地の記載漏れも、売却に向けて別に調べたい事項です。特別寄与料の話だけが進んでも、売却対象や権限の確認が終わるわけではありません。
- 今日、相続開始と相続人を知った日付の資料を探す。
- 弁護士へ期間制限を先に伝えて相談する。
- 介護の記録と、家の名義・査定資料を別々にまとめる。
私は、売却を急ぐ案内ではなく、期限のある相談から手を付けるよう案内します。富士ヶ丘サービスでは、磐田・袋井で介護と不動産を一体で整理し、家族が困らない売却の準備を支援します。請求の可否や金額は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士へ確認してください。
よくある質問
ご家族が確認したい点を、質問ごとに整理します。
- 介護をしたら必ず特別寄与料がもらえる?
- 介護をしただけで、必ず特別寄与料が認められるわけではありません。裁判所の案内は、相続人ではない一定の親族による無償の療養看護等と、財産の維持・増加への特別の寄与を条件としています。相続放棄者なども対象から除かれます。関係、作業内容、対価の有無、記録を整理し、対象該当性と金額は弁護士等へ確認してください。
- 話し合い中なら申立期限は延びる?
- 家族で話し合っていることだけを理由に、申立期間が延びるとは考えないでください。裁判所は、相続開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始から1年を経過すると申立てができないと説明しています。売却待ちや相談予約とも区別が必要です。起算点が不明でも放置せず、いつ何を知ったかの資料を持って弁護士へ確認します。
- 特別寄与料を請求すると家の共有者になる?
- 特別寄与料の請求だけで実家の共有者になるわけではありません。特別寄与料は相続人への金銭の支払いを求める仕組みです。家の所有者や売却権限は、相続関係や遺産分割、登記などを別に確認します。介護をした人への支払いと、誰が売買契約をするかを一緒にせず、合意内容と名義の扱いを弁護士や司法書士へ相談してください。
参考にした公式情報
2026年10月確認(確認日:2026年10月11日)。公的事実と筆者の意見を分けて記載しています。
本記事は2026年10月11日に確認した一般的な情報です。制度・数値・手続は変わる場合があります。税務・登記・相続・契約・重要事項などの個別判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士など各分野の専門家に確認してください。
