相続土地の分割売却、宅建免許の5判断
2026年10月21日|カテゴリ:売却実務・土地取引

この記事の要点
Q. 相続した土地なら、何区画かに分けて自分で売っても大丈夫ですか?
相続したという理由だけで宅建免許が不要とは判断できません。国土交通省は5項目を総合判断し、一回の販売でも区画割りして複数の者へ宅地を売る場合は反復継続的な取引に当たると示しています。分筆や広告の前に、販売計画を免許担当窓口等へ確認してください。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。広い実家の土地を売るなら、小さく分けた方が売りやすいのか。面積と価格の相談では自然に出る問いです。ただし、区画を描く前に、売主として確認しておきたいことがあります。販売方法と宅建免許の関係です。
相続で取得した事情は、判断材料の一つ
国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、相続で取得した物件の取引を、事業性が低い側の事情として挙げています。2026年10月21日に、2026年4月1日施行版の本文1ページを確認しました。
資料は宅地建物取引業の「業として行う」取引に当たるかを、諸要因による総合判断としています。「相続した土地はすべて免許不要」と一文で結論を出していません。取得経緯だけでなく、売り方を一緒に見ます。
ここでの宅建免許は、宅地建物取引業を営むための免許です。宅地建物取引士という個人の資格とは区別します。持ち主が資格の有無だけで販売できる範囲を判断しないよう、相談時も正式な言葉で確認します。
私は、相続取得など売主の事情を考慮する点を評価します。急な相続で土地を処分する人と、販売のために仕入れる人は、出発点が違うからです。資料が複数の事情を挙げているため、窓口に伝える材料も整理できます。
その上で、判断材料のうち自分に合う一項目だけを抜き出さないようにしたいと考えます。相続だから大丈夫と考えて費用を使った後で、販売計画の見直しが必要になるのは避けたいところです。私は着手前の照会を勧めます。
宅建業の事業性は5項目で総合判断する
国土交通省の同資料は、取引の対象者、目的、物件の取得経緯、取引の態様、反復継続性を判断基準に挙げています。この記事の「5判断」は、この五つの観点を意味します。五問の答えを足して合否を出す方式ではありません。
| 観点 | 資料が示す事情の例 |
|---|---|
| 対象者 | 広く一般の者か、親族・隣接所有者等か |
| 目的 | 利益目的か、相続税納税や住み替え等の資金需要か |
| 取得経緯 | 転売のためか、相続や自己使用のためか |
| 取引態様 | 直接購入者を募るか、代理や媒介を依頼するか |
| 反復継続性 | 過去の取引、今回の区画売り、将来の予定など |
資料は広く一般の者を対象にする取引や、利益目的の取引を事業性が高い側に挙げています。特定の資金需要や親族・隣接所有者との関係は、事業性が低い側の事情です。ただし、表の言葉に当てはまるだけで、個別の結論を保証するものではありません。
反復継続性は、過去と現在だけの確認ではありません。資料は将来の行為の予定や蓋然性も含むとしています。今回が初めてでも、その後に残りの区画を売る予定があるなら、予定を隠さず一緒に相談します。
一回の相続でも、区画売りは一回限りと扱えないことがある
国土交通省の同資料は、一回の販売行為でも、区画割りして複数の者へ宅地を販売する場合は反復継続的な取引に該当すると示しています。意外かもしれませんが、土地を手に入れた回数や相続の回数だけを数える説明ではありません。
土地を登記上いくつかに分ける作業を分筆と呼びます。分筆の登記と、分けた土地を売る行為の判断は区別します。測量の相談で区画案ができたことが、販売行為の免許確認まで済んだという意味にはなりません。
区画の形と費用を考える際は、土地を分筆して売るときの検討が関連します。その検討に進む前段階で、今回は誰が売主となり、何区画を誰へ売る予定かを一枚にしておきます。
私はこう考えます。相続した土地の図面を家族で囲むなら、鉛筆で区画線を引く前に、売却先と募集方法を書きます。すべてを一人へ売る案と、複数の買主へ売る案を区別して、窓口に示すためです。これは相談実話の再現ではありません。私が確認の漏れを減らすために勧める段取りです。分けた後の値段だけで案を選ばないようにします。
仲介会社を入れることも、総合判断の一要素
国土交通省は、代理や媒介を不動産会社へ依頼する取引態様を、事業性が低い側の事情として挙げています。一方で、資料全体は五項目の総合判断です。仲介を頼めば持ち主の免許問題が必ず解消する、とまでは読めません。
会社が仲介するのか、会社が土地を買い取ってから自ら販売するのかも、計画を整理するときは分けます。売主が誰か、どの段階でどの契約を結ぶかが違うためです。本記事は、どちらを選べば必ず免許不要になるという案内ではありません。
私は、販売計画の説明を不動産会社に手伝ってもらう方法を勧めます。ただし、会社の口頭説明だけで確認済みとせず、免許担当窓口等へ示した計画と、回答の前提を記録します。照会日、相手方、追加確認が必要な事項も残します。
取引先の確認には、不動産会社の免許の調べ方も使えます。相手の会社に免許があることと、持ち主が計画する販売行為の確認は別です。二つの話を同じチェック欄にしないようにします。
磐田・袋井で、分筆費用を払う前に整理する
磐田市・袋井市で相続土地を分けて売る場合も、販売行為と土地自体の条件を別に確認します。道路や境界、利用上の制限を調べても、それだけで宅建免許の要否が決まるわけではありません。反対に免許の相談が済んでも、土地の調査は残ります。
窓口へ持参する材料は、土地の位置、取得経緯、区画案、想定する買主、広告や仲介の予定、ほかの取引予定です。分からない項目は「未定」と書きます。後から販売方法を変える場合は、当初の回答をそのまま使えるかも確認します。
分筆の見積りより先に、誰が誰へどう売るかを確認する。私はこの順番で案内します。どの売り方が家族の負担を減らすかは、費用と期間を比較するまで迷います。最初から区画売りに決めず、一括売却も含めて材料をそろえる余地を残します。
今日できる確認は、家族で考えている販売先を紙に書くことです。「近所の人へ一部」「残りは広告で募集」などの予定を、そのまま記します。公簿面積と実測面積の違いの確認は、価格や測量の次の相談へつながります。
磐田市・袋井市では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような地域密着の会社に相談するという選択肢があります。私は売却条件の整理をお手伝いし、免許の個別判断は担当窓口等へ、測量・登記は各分野の専門家に確認するようご案内します。
よくある質問
個別の契約や相続関係がある場合は、資料をそろえて確認します。
- 相続した土地でも宅建業に当たることがありますか?
- 相続取得は国土交通省の判断項目では事業性が低い側の事情ですが、それだけで結論は決まりません。対象者、目的、取引態様、反復継続性も合わせた総合判断です。区画割りして複数の者へ販売する計画があるなら、区画数や募集方法、売主を整理し、実行前に免許担当窓口等へ確認してください。
- 不動産会社に仲介してもらえば免許は不要ですか?
- 国土交通省は仲介を依頼する取引態様を事業性が低い側の事情として挙げています。ただし、それは総合判断の一要素です。仲介会社を入れるだけで、持ち主による区画売りの免許問題がすべて解消するとは読めません。誰が売主となり、何区画を誰へ売るかを窓口に示して確認します。
- 分筆だけでも宅建免許が必要ですか?
- 土地を登記上分ける分筆と、宅地の販売が業として行われるかという判断は別に整理します。この記事の出典は販売行為の総合判断を説明するもので、分筆だけで免許が必要になるとは示していません。分筆後の販売先と募集方法まで整理し、測量・登記は土地家屋調査士等、販売計画は免許担当窓口等へ確認します。
売ると決める前の資料整理から
実家カルテで名義・道路・境界を整理し、実家じまい相談室で次の段取りを確認できます。相続の資料は相続はじめ相談室もご利用ください。
富士ヶ丘サービス株式会社|0538-31-3308
参考にした公式情報
出典の本文を2026年10月21日に確認しました(2026年10月確認)。
本記事は2026年10月21日に確認した公式資料を基にした一般的な説明です。制度・数値・手続は変わる場合があります。重要事項・税務・登記・相続・契約の個別判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士など各分野の専門家に確認を。
