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配偶者短期居住権の6か月はいつから?

2026年10月26日|カテゴリ:相続・しまい方

配偶者短期居住権の6か月はいつから?。短期居住権と実家の引渡しを確認する記事の表紙。

Q. 父が亡くなって6か月たったら、母は実家から出なければならないのですか?

A. 一律に死亡から6か月で退去とは限りません。配偶者を含む共同相続人で建物を遺産分割する場合、帰属確定日と相続開始から6か月経過する日の遅い日までです。それ以外は、建物取得者による消滅の申入れの日から6か月が基準になります。成立条件と個別の日付は弁護士などへ確認してください。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。実家の相続と売却を同時に考えると、名義の手続きに目が向きます。しかし、家の中に住んでいる人の予定を置き去りにはできません。今回は、残された配偶者の住まいを短期的に守る仕組みの「6か月」を整理します。

静岡県は毎年10月を「土地月間」と案内しています。2026年10月26日の今回は、土地と建物の処分を急ぐ前に、相続直後の居住条件を確認する機会にします。今月新しく始まった制度という意味ではありません。国税庁の「配偶者短期居住権の概要」を基にした一般的な説明です。

配偶者短期居住権は、相続直後の住まいを守る権利

国税庁の資料は、配偶者が相続開始時に無償で住んでいた被相続人所有の建物について、一定期間使い続けられる法定の権利を説明しています。これが配偶者短期居住権です。被相続人とは亡くなった方を指し、相続開始は通常、その方の死亡によって生じます。

家に住む権利と、家を所有する権利は同じではありません。名義を取得する人が決まったから、居住中の配偶者も同じ日に退去する、と一足飛びには扱えません。逆に、家に住んでいるという事実だけで、所有者や売却の権限を決めることもできません。

資料では、権利の効力は配偶者が無償で使っていた部分に及ぶとされています。建物全体を自由に使っていたのか、一部分だったのかも確認の対象です。「実家だから全部」という言い方を避け、相続開始時に誰がどの部分をどう使っていたのかを書き出します。

私は、住まいの移動に時間を確保する仕組みは良いと考えます。残された配偶者には、家財の整理や次の住まいの検討が必要です。相続の資料を集めながら、その日常まで同時に変える負担を和らげる意味があります。

その上で、制度の説明を「半年は住める」の一言で終えないでほしいと思います。どの日を出発点とするかが抜けると、家族と買主で異なるカレンダーを作ってしまいます。私は売却の担当者として、起算日が確認できるまで引渡しの日を断定しません。

遺産分割をする場合は、二つの日の遅い方

配偶者を含む共同相続人の間で建物を遺産分割する場合、配偶者短期居住権は二つの日の遅い方まで存続すると国税庁は説明しています。一つは建物の帰属が確定した日、もう一つは相続開始から6か月を経過する日です。

帰属の確定とは、遺産分割によって誰がその建物を取得するか決まることです。家族が売却の相談を始めた日や、不動産会社が査定書を出した日とは違います。協議が進んでいることと、建物の取得者が確定していることを分けます。

例えば、帰属が相続開始から2か月の時点で決まったと仮定します。一般的な期間の説明では、早く決まった帰属確定日ではなく、相続開始から6か月の方を見ます。一方、帰属確定が8か月の時点なら、そちらが遅い日です。この例は期間の比較であり、個別案件の退去日を確定するものではありません。

遺産分割が未了なら、家族のメモに予定日と確定日を混ぜないようにします。「来月にはまとまるはず」は見込みです。確定した書面があるのか、まだ協議案なのかを確認します。複数の名義人が関わる売却の基本は、共有名義の実家を売る前の整理でも説明しています。

配偶者短期居住権の成立条件を確認したうえで、共同相続人間の遺産分割では帰属確定日と相続開始から6か月の遅い日、それ以外は取得者による消滅の申入れから6か月を確認する説明図。
本文の確認事項を整理した説明図。実際の設備・書類の写真ではありません。

それ以外は、消滅の申入れの日から数える

共同相続人間で建物を遺産分割する場合以外について、国税庁は建物取得者による消滅の申入れの日から6か月を経過する日までと説明しています。資料は、配偶者が相続放棄した場合を例に挙げています。

死亡日と申入れの日が違えば、期間の出発点も違います。家族が相続について話し始めた日、不動産会社から電話が来た日、片付けを始めた日を、そのまま消滅の申入れの日に置き換えることはできません。誰が、いつ、どの内容を伝えたかを確認します。

私は、申入れがあったとされる場合には、通知やその受領に関する資料を整理して弁護士へ確認するよう案内します。仲介会社が会話の断片だけで法的な効果を判断することは避けます。通知の日付と実際に受け取った日の記録が違うなら、そのまま違いを示します。

相続放棄をしたから住まいの保護も直ちに消える、という理解は、この資料の説明とは一致しません。ただし、誰にでも無条件で権利が成立するという意味でもありません。放棄と管理の問題は、相続放棄と実家の管理の考え方と区別して相談してください。

長期の配偶者居住権と、売却の予定を混ぜない

配偶者短期居住権は、既存記事で扱った長期の配偶者居住権と分けて確認します。名前が似ていても、今回の問いは相続直後の期間の起算日です。将来にわたり住む権利を設定するかどうかとは、相談の目的が異なります。

配偶者居住権を登記した家の将来の売却では、権利を設定した後の処分を扱っています。既に権利に関する書面や登記がある家なら、短期の保護だけで話を進めず、専門家へ一緒に見せてください。

私はこう考えます。売主側の段取りを整える仕事では、販売開始を早めるより先に、住む人の予定を一枚の紙へ置くべきです。建物の名義、居住の根拠、転居の見込みを並べれば、未確認のまま約束している部分が見えます。売却をいつ始めるかは、その後でも決められます。私は、家族が決められない時間を、交渉を止める障害とは扱いたくありません。決めるための材料を増やす時間として扱います。

ただ、どこまで確認が済めば販売を始めてよいかは、私にも一律の答えがありません。居住を続けながら相談できる家もあれば、取得者さえ未定の家もあります。期間の一般論と、その物件で約束できる条件の間には、確認作業が残ります。

今日の確認は、三つの日付と二つの事情

実家売却を検討する家族は、相続開始日、建物の帰属確定日、消滅の申入れに関する日付を区別して整理します。存在しない日付を埋める必要はありません。「未確定」「申入れの有無を確認中」と書けば、次の相談で質問できます。

日付とは別に、相続開始時の所有関係と、配偶者の無償での居住状況を記録します。登記事項証明書、協議書や遺言に関する資料、通知の書面を一つに集めます。家族の記憶だけの部分は、その旨を書き添え、確定した事実と分けて持参します。

家族の予定表には、法律上の確認欄と生活上の予定欄を分けて設けます。転居先の候補が見つかったことと、入居できる日が決まったことも同じではありません。片付けを手伝える家族の日程や、残す家財の相談を別の欄へ置けば、居住期間だけで引渡しの準備が終わるわけではないことが見えます。

相談に同席できない家族がいるなら、質問と回答を共有する人も決めます。法律の説明を伝言で短くするうちに、起算日の条件が抜けないようにするためです。

磐田市・袋井市で売却を相談する際も、先に査定額だけを聞くのではなく、この資料を仲介会社へ見せてください。法律上の期間は弁護士などへ確認し、転居や家財搬出の予定は家族で整理します。それぞれの確認がそろってから、買主に示す引渡し条件へつなげます。

6か月は、家族を急がせるための数字ではありません。どの条件で、どの日から数えるのかを確かめる数字です。私は、今日中に退去日を決めるよう促すより、分からない日付を一つ減らす相談から始めます。相続や居住権の個別判断は専門家に確認を。

磐田市・袋井市では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような地域密着の会社に相談するという選択肢があります。

よくある質問

次の回答は一般的な確認手順です。個別の事情は資料をそろえて専門家へ確認してください。

死亡から6か月たてば必ず権利は終わりますか?
配偶者を含む共同相続人で建物を遺産分割する場合、帰属が確定した日と相続開始から6か月を経過する日の遅い日までとされています。分割が終わらなければ、死亡から6か月という数字だけで判断できません。成立条件や別の終了事情も含め、居住状況と協議の資料を弁護士などに示して確認してください。
相続放棄した配偶者にも関係しますか?
国税庁の資料は、配偶者が相続放棄した場合を、建物取得者から消滅の申入れを受けた日から6か月という期間の例として挙げています。ただし、放棄した人すべてに無条件で権利が生じるという意味ではありません。相続開始時の所有関係や無償での居住状況などを整理し、適用の可否を専門家へ確認してください。
6か月後を買主への引渡し日にしてよいですか?
日数だけで引渡し日を約束しないでください。権利の成立条件、起算日、建物の帰属、実際の転居予定を先に確認します。売主が引渡しできる状態になる時期と、配偶者の居住を保護する期間は、同じ資料だけでは決まりません。弁護士などの確認を受け、仲介会社と契約条件に落とし込む順番で進めます。
著者・大石浩之(磐田市の不動産業・宅地建物取引士)の顔写真

大石浩之|磐田市|不動産業・宅地建物取引士

執筆:大石浩之(宅地建物取引士・代表取締役)

富士ヶ丘サービス株式会社。介護と不動産を一体で相談し、磐田市・袋井市・森町で家族の段取りを整理します。

著者プロフィール

売ると決める前の資料整理から

実家カルテで名義・道路・境界を整理し、実家じまい相談室で次の段取りを確認できます。相続の資料は相続はじめ相談室もご利用ください。

富士ヶ丘サービス株式会社|0538-31-3308

参考にした一次情報

2026年10月26日確認(2026年10月確認)。公表日が不明な資料は、確認日を公表日として扱っていません。

本記事は2026年10月26日に確認した一次資料を基にした一般的な説明です。制度・数値・手続は変わる場合があります。重要事項・税務・登記・相続・契約の個別判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士など各分野の専門家に確認を。

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