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貸家売却の消費税|2028年にも影響する理由

2026年11月3日|不動産実務・家族の段取り

貸家売却の消費税|2028年にも影響する理由の表紙。売った年だけで終わらない税。

Q. 貸家を2026年に売ると、2028年の消費税にも関係しますか?

A. 個人事業者が2026年に貸家の建物を売ると、その売上げが2028年の消費税の納税義務判定に影響する場合があります。個人の基準期間は前々年です。売却額全体や利益だけで判断せず、土地と建物、他の課税売上げ、登録状況を分けて税理士へ確認します。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。貸家を売るとき、契約書の金額と振込まれるお金だけを見れば、その年に話が終わったように感じます。しかし個人事業者の消費税では、2026年の取引が2028年の判定に関わる場合があります。

私は、売却の手取りを考えるなら、入金日だけでカレンダーを閉じないほうがよいと考えます。翌々年にも事業を続けるのか、どんな売上げが残るのか。税理士へ確認する材料は、売る建物の資料だけでは足りないことがあります。

本記事は2026年11月3日に確認した国税庁の案内に基づきます。新しい税が2028年に始まるという話ではありません。個人の基準期間が前々年である仕組みを、2026年中の売却に当てはめて整理します。法人の事業年度には、そのまま当てはめないでください。

2026年と2028年を分けて確認。2026年:貸家の売却:土地と建物、他の売上げを分ける。2028年:納税義務の判定:個人の基準期間は前々年。2028年:税額の確認:実際の取引と登録等を別途確認。判定と納付税額は同じではありません。
記事内容を整理した図解。判定と納付税額は同じではありません。

2026年の売却と2028年の判定はつながる

国税庁の「納税義務の免除」では、個人事業者の基準期間はその年の前々年とされています。基準期間とは、消費税を納める義務の有無を判定する際に、売上高を確認する期間です。

2028年を判定する際の基準期間は2026年です。2026年に事業用の建物を売却した場合、その取引が2026年の課税売上高に含まれるかを確認します。課税売上高とは、消費税の対象となる売上げなどの合計です。売却で残った利益という意味ではありません。

国税庁は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納税義務が免除されると案内しています。ただし、登録や別の期間の判定など例外があります。1,000万円という数字一つだけで、免税・課税の結論を出さないでください。

私は、見るべき年が分かる点を良いと考えます。2026年の売却資料を整理する際に、2028年の確認予定も作れるからです。契約前に質問できれば、売却後の資金の使い方を考える時間が残ります。

その上で、「売ったら翌々年に税金が来る」とだけ説明するのは足りません。納税義務の判定と、2028年に実際に行う取引の税額計算は別です。2026年の売却代金へ、2028年に改めて一律の税率を掛ける仕組みではありません。

貸家の家賃と建物売却は同じ区分ではない

国税庁の「個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税」は、住宅賃貸用の建物を売る取引も課税対象に含めています。一方、「非課税となる取引」では、土地の譲渡や一定の住宅の貸付けを非課税としています。

貸家の家賃に消費税を上乗せしていないから、建物を売るときも同じだとは限りません。同じ家でも、住宅として貸す取引と、建物を売る取引では区分が変わります。ここが、実家を一時的に貸していた持ち主にも確認してほしい点です。

取引の内容確認する区分
土地の売却土地の譲渡は非課税
貸家の建物売却事業用建物の譲渡として課税対象
住宅としての家賃国税庁が示す住宅貸付けの要件を確認

課税対象の取引であることと、その人がその年に納税義務を負うことも区別します。2026年に免税事業者だったとしても、建物売却を2026年の課税売上高の判定から当然に除けるわけではありません。申告資料や登録状況と一緒に確認します。

買主側の控除や価格の話は、貸家売却とインボイスの確認で扱っています。この記事では、売主の2028年の判定に焦点を絞ります。買主がどう扱うかと、売主がどの年に何を申告するかを混ぜないためです。

1,000万円と比べるのは利益ではなく課税売上高

消費税の基準期間の判定では、建物の売却損益ではなく課税売上高を確認します。購入時より安く売れた場合でも、利益が出ていないという理由だけで判定から外すことはできません。

説明用の仮定として、2026年を通じて免税事業者で、土地800万円、貸家の建物1,200万円で売った場合を考えます。土地の800万円と、課税対象となる建物の1,200万円を分けます。建物分だけでも1,000万円を超えるため、2028年の判定を税理士に確認する材料になります。これは相場や査定の例ではありません。

国税庁の消費税のあらましは、基準期間が免税事業者だった場合、その期間の課税売上高について税抜き処理をしないと説明しています。免税だった年の建物代金を、自己判断で1.1で割る計算にはしません。課税だった期間が混在する場合などは、別途確認します。

売却代金が土地建物の総額だけで記載されていると、家族だけで分け方を決めたくなるかもしれません。しかし、税負担を小さくする目的だけで建物価格を任意に低くするのは避けます。契約書、建物資料、評価に関する資料を揃え、区分の根拠を税理士と確認します。

同じ個人が別の事業をしている場合は、その課税売上げも確認が必要です。貸家だけを切り出した一覧では全体が見えません。店舗の売上げなどがあれば、担当税理士へまとめて伝えます。手取りの整理は売却価格ではなく手取りで考える記事も参考になります。

翌々年だけを見ればよいわけではない

国税庁は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合などは免税にならないと説明しています。基準期間だけで終わらず、登録、届出、特定期間の情報を揃えます。

個人の特定期間は、原則として前年の1月1日から6月30日までです。課税売上高に代えて給与等支払額による判定ができる旨も案内されています。適用条件を飛ばして、前年の売上げが多いから必ず課税だと決めつけないでください。

2026年の売却時点の納税義務は、2028年の判定とは別に確認します。2027年についても、登録や特定期間などの事情が関わります。私なら税理士へ、2026年、2027年、2028年の三つの欄を作り、それぞれ未確認の事項を記入して渡します。

契約が年末、引渡しが年明けになる場合には、どの年の取引として扱うかも相談します。売却が年をまたぐ場合の申告整理とは税目の違いに注意が必要です。所得税について聞いた答えを、そのまま消費税の答えに置き換えません。

私は、売却後の予定まで税理士へ渡す

私はこう考えます。貸家を売る家族の資金表を作るなら、売却代金の下に将来の確認欄を残します。建物と土地の内訳、ほかの事業、売却後も続く収入を書き、税理士から確認できた内容だけを入れます。これは実際の相談の再現ではなく、私の提案です。入金をそのまま使えるお金と呼ぶ前に、未確定の支出を見えるようにします。

税金の確認を細かくしすぎると売却判断が動かなくなり、簡単にしすぎると後で負担が出る。その間で私も迷います。だから、税額を私が推定して断定するより、専門家が判定できる資料を先に揃える役割を選びます。

今日できる確認は、売買契約案の土地と建物の内訳を探し、現在の登録・申告資料と一緒に置くことです。磐田・袋井の貸家でも、所在地だけで税の結論は変えられません。富士ヶ丘サービスでは不動産の資料整理を進め、個別の納税義務、税額、届出期限は税理士・税務署に確認するよう案内します。

よくある質問

貸家売却後の消費税の判定について疑問を整理します。

売却年に免税なら翌々年も免税ですか?

売却年の免税と、翌々年の納税義務は別に判定します。個人事業者の2028年の基準期間は2026年であり、2026年の貸家建物の売却が課税売上高に含まれる場合があります。免税だったから売上高から除けるとは限りません。売買資料に加え、ほかの事業の売上げや登録状況を税理士へ伝えて確認してください。

土地と建物の合計が1,000万円を超えたら課税ですか?

総額だけでは判定できません。土地の譲渡は非課税で、事業用の建物の譲渡は課税対象となるため、契約の内訳と根拠を確認します。建物分以外の課税売上げや、基準期間・登録状況なども判定に関わります。税負担に合わせて内訳を任意に変えず、契約書案や評価資料を税理士へ示し、売却前に確認してください。

2028年に住宅家賃だけなら必ず納税が必要ですか?

納税義務の判定と、実際の納付税額の計算は別です。住宅の貸付けは一定の要件で非課税であり、課税事業者となることだけで住宅家賃が一律に課税へ変わるわけではありません。2028年にどの取引や支出があるかも確認が必要です。2026年の建物売却額に一律の率を掛けて、2028年の納税額としないでください。

著者・大石浩之、磐田市の不動産業・宅地建物取引士の顔写真。

大石浩之|磐田市|不動産業・宅地建物取引士

富士ヶ丘サービス株式会社。磐田・袋井で介護と不動産を一体で相談し、家族が困らない段取りを考えます。

著者プロフィール

売ると決める前の資料整理から

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相談・調査・査定の申込みには、物件所在地を番地・地番までご記入ください。不明な場合は固定資産税の課税明細書や登記書類で確認してください。

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参考にした公式情報

2026年11月3日確認(2026年11月確認)。資料の公表日と確認日は区別しています。

本記事は一般的な情報と筆者の意見です。制度・数値・運用は変わる場合があります。重要事項、契約、税務・登記・相続の個別判断は、担当窓口と各分野の専門家に確認を。