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2026年8月28日|カテゴリ:実家じまい・空き家

「実家じまい」がYahoo!ニュースの主要トピックスに。
正直、驚きました

ニュース画面を表示したスマートフォンと実家、遠距離の移動を表すスーツケースを描いたイラスト

この記事の要点

Q. なぜ「実家じまい」がYahoo!ニュースに出たことに驚いたのですか。

A. これまで実家じまいは、それぞれの家族が内々に抱える問題として扱われがちでした。その言葉がYahoo!ニュースの主要トピックスに並んだことで、もはや一部の家庭だけの悩みではなく、社会全体の課題になったのだと実感したからです。

今日、Yahoo!ニュースを開いて、思わず画面を二度見しました。

主要トピックスに並んでいたのは、「交通費で200万円 実家じまいの今」という見出しです。

私は日頃から、磐田市・袋井市・森町を中心に、実家じまいや相続空き家の相談を受けています。このブログでも繰り返し取り上げてきたテーマです。それでも、「実家じまい」という言葉がYahoo!ニュースの目立つ場所に掲げられたことには、正直驚きました。

それだけ、多くの人にとって切実な問題になっている。そう受け止めています。

準備をしていても、総額は約250万円

リンク先のYahoo!ニュース オリジナル特集では、東京から長崎県佐世保市へ通い、祖母の実家じまいを終えたご家族の事例が紹介されています。

祖母は判断力のあるうちにエンディングノートを作り、遺産の分け方や家の売却先、葬儀の希望まで残していました。家族も約2年半をかけて少しずつ片付けを進め、登記手続きも自分たちで行うなど、かなり丁寧な準備をしています。

それでも、実家じまいにかかった費用は総額約250万円。そのうち200万円以上が、面会や片付けのために東京と長崎を往復した交通費でした。

「実家じまいの費用」と聞くと、解体費や不用品処分費を思い浮かべる方が多いと思います。しかし実際には、交通費、宿泊費、仕事を休む時間、家族間の調整、思い出の品を一つずつ確認する時間もかかります。金額として見える費用だけでなく、時間と心の負担も決して小さくありません。

記事のご家族は、家と庭をそのままの状態で売却できました。一方、解体の見積もりは400万円だったそうです。買い手が見つからなければ、さらに大きな負担が残る可能性もありました。

「250万円」は平均額ではなく、一つの家族の実例

ここは誤解のないようにしておきたいところです。記事に出てくる250万円は、実家じまいをすれば誰でも同じだけかかる、という全国平均ではありません。東京と長崎の距離、家族が何度も現地へ通ったこと、2年半をかけて思い出の品を選びながら片付けたことなど、そのご家族の条件が重なった結果です。

反対に、実家が近く、家財が少なく、名義や境界が整理され、現況のまま買い手が見つかれば、負担は小さくできます。家ごとの差が大きいからこそ、「いくらかかるか」を先に断定するより、「何にお金と時間がかかりそうか」を一つずつ洗い出すほうが実務的です。

解体費だけを予算に入れても足りません。交通・宿泊、家財整理、庭木、測量、登記、未登記建物、農地、仏壇や位牌の行き先など、家ごとに別の費目が立ち上がります。

「遠方の実家」の問題は、磐田市・袋井市にもある

これは長崎だけの話ではありません。

磐田市や袋井市で生まれ育ち、進学や就職を機に東京・名古屋・大阪などへ移った方は大勢います。親が元気なうちは問題が見えにくくても、施設入居や入院、相続をきっかけに、実家の管理が突然、子世代の課題になります。

年に数回帰省して草刈りをする。郵便物を確認する。雨漏りや台風後の被害を見に行く。家財を少しずつ整理する。こうした一つひとつは小さく見えても、何年も続けば相当な負担です。

そして、親の判断力が低下してからでは、売却や財産管理を本人の意思だけで進めることが難しくなる場合があります。相続が起きた後なら、名義、境界、接道、農地、残置物など、確認すべきことが一度に表面化します。

遠方の実家では、なぜ往復回数が増えるのか

「片付けなら、一度帰れば終わる」と考えたくなります。しかし、実際の実家じまいは作業の種類ごとに立ち会う相手と時期が違います。

場面現地で起こりやすいこと
最初の確認鍵、郵便物、電気・水道、雨漏り、庭木、近隣への挨拶を確認する
家財整理捨てる物、残す物、親族へ渡す物を分ける。写真や手紙で作業が止まりやすい
不動産の調査境界標、越境、道路、物置、増築部分、農地の有無を現地で照合する
売却・解体査定、業者見積もり、契約、引渡し。家財を残せるかどうかでも回数が変わる

一回の交通費より、「あと一度だけ」が何度も重なることが遠方の実家の負担です。きょうだいで交代しても、家族全体で見れば移動回数は減っていないことがあります。交通費の領収書だけでなく、誰が何日休んだか、誰に判断が集中したかも記録しておくと、負担の偏りを話し合いやすくなります。

家財を残したまま売る方法については、「現況有姿・残置物あり」で売るときの契約上の注意にもまとめています。全部を自分たちで片付ける前に、残せる物と残せない物を確認するだけで、帰省回数を減らせる場合があります。

驚いたのは、ニュースになったことだけではありません

記事では、全国の空き家が2023年時点で過去最多の900万戸に達したことや、空き家が5年ほどで約2倍になった過疎地域の町、一般的な30〜40坪程度の家でも解体費が200万円前後になる例が紹介されています。

数字の大きさにも驚きます。しかし、私がより強く感じたのは、これまで各家庭の中に隠れていた困りごとが、ようやく社会の表側に出てきたということです。

実家じまいは「親が亡くなった後に、家を売れば終わる」という単純な話ではありません。

こうしたことを、家族の気持ちと現実の両方を見ながら整理する必要があります。

「準備万全でも」の意味を、私は重く受け止めました

元記事の見出しには「準備万全でも」という言葉があります。エンディングノートがあり、売却先について本人の意思が示され、預金もあり、家族が生前から片付けていた。それでも費用と時間はかかりました。

では、準備は役に立たなかったのでしょうか。私は逆だと思います。

準備があったから、家族は「祖母は本当はどうしたかったのか」で争わずに済みました。預金から費用を出すことができ、誰が何を受け取るのかも確認できました。家を現況のまま売るという出口にも進めました。準備の役割は費用をゼロにすることではなく、迷いと対立で動けなくなる時間を減らすことです。

何も決めていない家では、親が亡くなった後に、きょうだいが次のようなところから話し始めます。

家そのものより、こうした「決めていなかったこと」が実家じまいを長引かせます。親が元気なうちに全部決める必要はありません。ただ、希望を聞いてメモに残すだけでも違います。判断能力が低下した後の売却については、親が認知症になると実家は売れないのかで、任意後見や家族信託を含む備えを整理しています。

まずは「売るかどうか」ではなく、現状を知る

Yahoo!ニュースに取り上げられたからといって、今すぐ実家を売りましょう、という話ではありません。

大切なのは、判断が必要になったときに選択肢を失わないことです。

まずは、登記上の名義は誰か、相続登記は済んでいるか、土地の境界や接道に問題はないか、農地が含まれていないか、家の中にどれくらい物が残っているかを確認する。それだけでも、将来の負担は大きく変わります。

実家じまいがYahoo!ニュースの主要トピックスになる時代になりました。

驚きはありましたが、同時に「やはり、今伝えなければならないことなのだ」と背中を押された気持ちもあります。磐田市・袋井市・森町に実家があり、いつか考えなければと思っている方は、このニュースを家族で話すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

まだ結論を出す必要はありません。まずは実家の現在地を知るところからで十分です。

磐田市・袋井市で、今からできる3段階の準備

実家じまいを「売る・売らない」の二択にすると、家族の会話は重くなります。私は、次の3段階に分けて考えることをおすすめしています。

  1. 事実だけを確認する。固定資産税の納税通知書、登記事項、土地の筆数、建物の名義、住宅ローンや抵当権、鍵の本数を確認します。この段階では売却を決めません。
  2. 親の希望と家族の条件を聞く。戻る可能性、仏壇や家財、介護費用、帰省できる人、費用を立て替えられる人を確認します。「誰が正しいか」ではなく「何ができるか」を並べます。
  3. 出口ごとの費用を比べる。持ち続ける管理費、貸すための修繕費、売るための測量・登記・家財整理、解体する費用を同じ紙に並べます。査定額だけで判断しないことが大切です。

家族会議では、次の5つを一度に結論まで出す必要はありません。

最後の「次に集まる日」まで決めておくと、話が一度きりで止まりにくくなります。話し合いの始め方は、ふじがおか実家カルテを家族会議のたたき台にする方法も参考にしてください。

不動産会社として、このニュースから改めて思うこと

不動産会社へ相談すると、すぐ査定や売却の話になるのではないかと身構える方がいます。しかし、実家じまいで最初に必要なのは、価格よりも事実の整理です。

名義が親のままなのか、亡くなった祖父母のままなのか。土地が一筆なのか複数なのか。前の道路は建築基準法上の道路なのか。隣地との境界標は見つかるか。田畑や未登記の物置が一緒になっていないか。ここが分からないまま価格だけを聞いても、後から費用と時間が増えます。

Yahoo!ニュースの記事に出てきたご家族は、運よく家と庭を現況のまま売却できました。「更地にしてからでなければ売れない」と先に決めていたら、400万円の解体見積もりを負担していた可能性があります。壊す前、片付け切る前、名義を動かす前に、選択肢を並べる。これが、遠方の実家で無駄な往復と出費を減らす順番です。

実家じまい相談室|富士ヶ丘サービス

「まだ決めなくていい」から、まず現状の把握を。

施設入居や相続をきっかけに空き家になった実家について、名義・相続登記・境界・接道・農地など、将来の売却や活用で支障になりそうな点を整理します。強引な売却営業は行いません。

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まとめ

著者・大石浩之(宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(宅地建物取引士)

磐田市・袋井市・森町で「介護×相続×空き家」に特化した不動産売却支援を行う富士ヶ丘サービスの代表取締役・宅地建物取引士。介護施設の運営から不動産事業を始めた経験をもとに、売主とご家族が困らない売却を一件ずつお手伝いしています。プロフィール


本記事は2026年8月28日時点の公開情報をもとに作成しています。費用や制度の適用条件は、地域、建物、土地、家族の状況によって異なります。

参考情報

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