不動産売却の譲渡費用、修繕費との違い
2026年10月30日|カテゴリ:売却・税

Q. 家を売る前に払った修繕費は、譲渡費用に入りますか?
国税庁は、譲渡費用を土地や建物を売るために直接かかった費用と説明しています。維持・管理のための修繕費や固定資産税は譲渡費用に入りません。仲介手数料などと区分し、工事の目的、契約書、領収書を整理して、個別の扱いを税理士に確認してください。
家を売ると、代金が入る一方で、仲介手数料や工事代などの支払いが残ります。実家を相続して売ったご家族なら、何年も前の修繕の領収書が見つかることもあります。確定申告の準備では、払ったお金を全部まとめて扱うのではなく、何のための支出かを分けます。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として、私は家の価格だけでなく、家族の手元に残るお金も一緒に考えます。税額の計算や申告の個別判断は税理士の仕事です。この記事では、相談する前に資料をどう並べるかを説明します。
譲渡費用は、売るために直接かかった費用
国税庁のタックスアンサーNo.3255によると、土地や建物の譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。譲渡費用は、売却のために直接かかった費用です。国税庁の説明は2026年4月1日現在の法令等に基づいており、2026年10月30日に確認しました。
同じ国税庁の案内は、譲渡費用の例として、売却のために支払った仲介手数料、売主が負担した印紙税、土地を売るために建物を取り壊した費用などを挙げています。貸家を売るために借家人に明け渡してもらう際の立退料も、例として示されています。
一方、家を維持・管理するためにかかった修繕費や固定資産税は、譲渡費用に含まれません。売った代金を取り立てるための費用も、国税庁の案内では譲渡費用に含まれないとされています。支払った時期だけで判断する仕組みではありません。
| 費用の例 | 国税庁の整理 |
|---|---|
| 売却のための仲介手数料 | 譲渡費用の例 |
| 売主が負担した印紙税 | 譲渡費用の例 |
| 土地を売るための建物取壊し | 取壊し費用などが譲渡費用の例 |
| 維持・管理のための修繕費 | 譲渡費用に含まれない |
| 固定資産税 | 維持・管理の費用として含まれない |
私は、売った金額から何を差し引くかを整理できる点を評価します。仲介手数料など、売却に直接要した支出を明確にできれば、家族も税理士に何を渡すか考えやすくなります。税金を払うためだけでなく、売却後のお金を振り返る材料にもなります。
その上で、私は領収書の名前だけで自動的に仕分けられると思わないよう案内します。同じ「工事代」という文字でも、作業の目的と内容が異なるからです。国税庁の例に当てはめられるか、依頼書や契約の経緯を添えて専門家に尋ねます。
既契約を解いて他に高く売った場合は、不動産売却の違約金|2つの契約から譲渡費用を確かめるで具体的な手順を確認できます。
修繕費と譲渡費用は、支出の目的を分ける
修繕費と譲渡費用の違いを考えるとき、まず国税庁が示す「売るために直接かかった費用」という基準を確認します。維持・管理のための修繕費は譲渡費用に入らない、という説明も併せて読みます。「売却前に払った」という事実だけでは、目的の説明になりません。
例えば、建物を保有し続けるために傷んだ部分を直す工事と、土地を売るために建物を取り壊す作業では、支出の目的が異なります。具体的な案件がどの区分になるかは、工事の内容と経緯を見なければ判断できません。見積書と請求書を残し、税理士に相談してください。
私は、支出の目的を後から思い出すことには迷いが残ると考えます。家族が離れて暮らしていた場合、費用を払った人と工事を依頼した人が違うこともあり得ます。誰が何のために依頼したか、分かっている範囲でメモし、不明な部分は不明のまま専門家へ伝えます。
領収書に金額だけが書かれている場合は、工事の内訳が分かる見積書や、依頼した時の連絡も探します。書類が一枚見つからなくても、残っている資料から順に整理します。帳尻を合わせるために目的を推測して書き足すことはしません。
建物の取壊し費用は、土地を売る目的を確認
建物の取壊し費用について、国税庁No.3255は、土地などを売るために上の建物を取り壊した場合の費用と建物の損失額を、譲渡費用の例に挙げています。建物を壊したことだけで、すべての解体費用の税務上の扱いが決まるとは書いていません。
売却までの時系列を、解体の依頼日、契約日、工事日、土地の売買時期に分けて残します。売却の相談を始めた記録や、土地をどのような状態で引き渡す予定だったかも、相談の材料になります。個別の区分は税理士等へ確認してください。
私は、解体を急いで税金の扱いを先に決めるようには案内しません。現状の建物をどう扱うか、売却の条件や家族の希望も確認します。解体費の家計上の見通しは、実家の解体費用で確認できます。工事代の見積りと税務上の区分は、別々の作業です。
測量費にも、目的と資料を整理する必要があります。測量費と譲渡費用では、売却のための測量と、境界を管理するための作業を考える材料を示しています。費用の名称だけでなく、依頼の背景を残してください。
領収書は、売却・維持管理・未確認に分ける
領収書は「売却のために直接支払った可能性があるもの」「維持・管理のためのもの」「目的が分からないもの」に仮分けします。仮分けは税額を決める作業ではありません。税理士が判断できるよう、資料を探すための整理です。
| 書き出す項目 | 相談時に伝える内容 |
|---|---|
| 支払日と金額 | 領収書・振込明細と一致するか |
| 支払先と内容 | 会社名、工事や作業の内訳 |
| 目的と経緯 | 売却のためか、維持管理のためか、不明か |
| 関連する書類 | 見積書、契約書、依頼時の連絡 |
税務判断には、金額だけでなく作業の内容と理由が役立ちます。請求書の宛名が家族の一人になっている場合も、実際の負担や支払いの事情を整理します。誰の費用としてどう扱うかは、ご家族の事情と税務資料を踏まえて専門家へ相談してください。
申告に使った資料は、売却後の確定申告書の控えと併せて整理します。保存が必要な期間や資料の種類は個別の事情や制度によって異なるため、申告を依頼する税理士等に確認してください。
磐田・袋井の実家売却は、手取りと税務を分けて考える
磐田市・袋井市の実家を売却するご家族には、私は売買代金から実際に払う費用を差し引いた資金の見通しと、税務上の譲渡費用の区分を別々に書くよう案内します。家計から出た支払いが、すべて税務上の譲渡費用になるわけではありません。
これは私の意見です。売主が税理士に相談するとき、仲介会社から受け取った精算書と、家族が別に払った工事の資料を同じ机に並べると、誰がどの費用を負担したか確認しやすくなります。不明な書類は空欄のままにし、取得方法を尋ねます。体験談として特定の相談を再現したものではありません。
実際の手元資金を考える方法は、売却の手取りで考えるも参考になります。費用を負担した事実と、譲渡所得の計算で差し引けるかは、異なる問いです。私は、税額を想像で埋めず、専門家に確認した後の資金計画を立てるよう案内します。
今日できることは、領収書を一枚選び、支払日、金額、何のための支出かをメモすることです。目的が分からなければ「未確認」と書いてください。富士ヶ丘サービスは、磐田・袋井で介護と不動産を一体で相談し、家族が困らない売却の段取りを考えます。資料の入口には実家カルテも使えます。
よくある質問
売却前に行った修繕は、すべて譲渡費用ですか?
売却前に支払ったことだけで、すべて譲渡費用になるわけではありません。国税庁は、資産の維持・管理のための修繕費を譲渡費用に含めないと説明しています。工事の内容、目的、契約書、領収書を整理し、個別の扱いを税理士等へ確認してください。
建物を壊した費用は必ず譲渡費用になりますか?
国税庁は、土地などを売るために建物を取り壊した場合の費用などを譲渡費用の例に挙げています。解体したという事実だけで、個別の扱いを断定しないでください。売却と工事の目的、時期、契約資料を整理し、税理士等へ確認します。
売った年の固定資産税は譲渡費用ですか?
国税庁No.3255は、固定資産税を資産の維持・管理のための費用として、譲渡費用に含めないと説明しています。売買の際に精算した金額の扱いも含め、実際の契約や資料を持って税理士等に相談してください。
参考にした一次情報
2026年10月30日確認(2026年10月確認)。
制度は変更される場合があります。個別の費用区分は税理士等に確認してください。重要事項・税務・登記・相続の個別判断は、それぞれの専門家に確認を。
